前の記事で、
わが子がアメをのどにつまらせた時の体験談を 書きました ▼
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【体験談】子どもが喉にアメをつまらせた!私が実際に対処した方法とその後ようす
わが子が3歳の頃に、アメをのどに詰まらせる事件が起こりました。 今でも思い出すだけでゾッとしますが、 子供がのどに詰まらせた経緯から、実際にわたしが対処した方法を紹介します。 \子供の誤 ...
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↑上記記事では、私の子供が実際にアメをつまらせ、取り出せた一部始終を載せています。
興味のある方は読んでみて下さい。
さて、
皆さんも、わが子がのどに詰まらせて焦った経験はありませんか?
のどに詰まらせた場合、
重要なのは、いかに早く除去できるかです。
のどに詰まった物を取り出せないとどうなる?
- アメや食べ物などが 喉につまると息がしにくくなり、窒息状態に陥ります。
- 顔がどんどん青ざめてきます(チアノーゼ)
- 窒息状態が続くと、脳に酸素が届かず、脳に障害を負い、最悪 死にいたってしまいます。
このように、のどに詰まった物を迅速に取り出せないと、障害または死に至る可能性があります。
この場合、喉に詰まったものを取り出す「異物除去法」をいかに迅速にできるかがカギになります。
そのためには、正しい対処法を身につければいけません。
では、実際のどに詰まらせた場合は何をすればいいのか?
ここでは「のどにつまった時の異物除去法」を紹介します。
【はじめに】のどに詰まったときの基本の対処のながれ
上記図を見ますと、
1歳未満の赤ちゃんと、1歳以上の幼児では対処法が少し異なります。
▼年齢別の対処法は下記の通りです。
年齢 | 対処できる異物除去法 (意識がある場合) |
意識がない 反応しない場合 |
赤ちゃん 乳児 |
①背部叩打法(はいぶこうだほう) ②胸部圧迫法 |
救急車を呼ぶ |
幼児 (1歳以上) |
①背部叩打法(はいぶこうだほう) ②ハイムリック法(胸部突き上げ法) |
どちらも、①の背部叩打法(はいぶこうだほう)は実施できます。
さらに、意識がない・反応しない場合は自分で対処せず、すぐに救急車を呼ぶのも同様です。
また、救急車が到着するまでの間は、心配蘇生法を実施してください。
異物除去をやってはいけない場合
- 意識がない・反応しない→ すぐに119番で救急車を呼んでください。
- のどを通過し、胃に達している場合
- 石油系など飲み込んだ時(逆流すると危険です)
幼児(1歳以上)のどにつまった時の手順
この方法は、1歳以上の幼児に対する除去法です。
今から紹介する対処法は、意識がある場合に実施できる方法です。
(→意識がない・反応しない場合はすぐに救急車を呼んでください。)
この方法は大人と同じ方法ですので、是非おぼえてほしいです。
2つの方法があります。
▼1歳以上の幼児への異物除去法の手順
step
1意識がはっきりしているか確認
(→意識がない場合は、救急車を呼ぶ)
step
2意識がある場合、下記2つの対処法を実施
- 背部叩打法(はいぶこうだほう)
- ハイムリック法(胸部突き上げ法)
▼背部叩打法(はいぶこうだほう)
文字通り、背中を強く叩く方法です。
叩く場所ですが、両肩甲骨のあいだを手のひらで前平行になるよう意識して叩いて下さい。
まず最初にこの方法をためしてみてください。
それでも除去できない場合は、
次のハイムリック法をためしてください。
▼ハイムリック法(胸部突き上げ法)
▼1歳以上の幼児に対する ハイムリック法の手順
①子供の後ろに立つ。(子供の身長によっては、膝をついて下さい)
②自分の両うでを子供の脇の下に入れる
③おへそやや上に握りこぶしを作る。
④さらにもう一方の手で、上から包むようにしっかりと握る。
⑤内上方向を意識して圧迫する
わが子も背中トントンがきかず、
このハイムリック法によりアメ玉を除去できました。
注意!このハイムリック法は1歳未満の乳児には使えません!
乳児に実施できない理由としては、骨折や腹部内臓傷害のおそれがあるためです。
手技には強い力が必要であり、この方法を行うと 怪我にも繋がりかねないからです。
さらに、赤ちゃん以外に ハイムリック法を実施してはいけない場合は以下です。
ハイムリック法をしてはいけない場合リスト
×意識がない場合(赤ちゃん・幼児ともに/まずは救急車を呼ぶ・心配蘇生法)
×赤ちゃんなど1歳以下の乳児(背部叩打法・胸部圧迫法は可能)
×妊婦・ケガをしている人
step
3ハイムリック後、腹部への外傷・内傷がないかチェック
ハイムリック法を実施した後は、かならず腹部への損傷がないかチェックして下さい。
異常があれば 病院に行き、「ハイムリック法を実施した」ことを告げてください。
▼ちょっと気になる!ハイムリック法の意味や由来
ハイムリック法とは、
腹部突き上げ法(ふくぶつきあげほう)、上腹部圧迫法(じょうふくぶあっぱくほう)とも呼ばれ、外因性異物によって窒息しかけた患者を救命する応急処置である。
1974年にこの方法を初めて記載した医師ヘンリー・ハイムリックにその名前を因む。救助者は、患者の後ろに立って手を腹部に当て、突き上げるようにし横隔膜を圧迫する。
これにより肺が空気で押され、成功した場合には気管から異物を取り除くことができる。アメリカ心臓協会・アメリカ赤十字社・ヨーロッパ蘇生協議会(ドイツ語版、英語版)などが発行する現在のガイドラインでは、
気道障害物に対して、徐々に圧力を高めて除去する多段階の方法を推奨している。多くのガイドラインでは、患者に咳をさせて異物を取り除くため背部叩打法を行うことが推奨されており、
それでも除去できなかった時にハイムリック法や胸部圧迫法を用いた気道確保を行うよう勧めている。
乳児(1歳未満)のどにつまった時の手順
ここからは、1歳未満の乳児・赤ちゃんへの異物除去法の紹介をします。
step
1意識がはっきりしているか確認
(→意識がない場合は、救急車を呼ぶ)
step
2意識がある場合、下記2つの対処法を実施
乳児・赤ちゃんへの有効な対処法は 以下の2つです↓
- 背部叩打法(はいぶこうだほう)
- 胸部圧迫法
▼背部叩打法(はいぶこうだほう)
赤ちゃんへの背部叩打法(はいぶこうだほう)は、
幼児の場合とちがい、少し姿勢が異なります。
赤ちゃんをこのように、↓ひざの上でうつぶせの状態にします。
▼赤ちゃんへの背部叩打法(はいぶこうだほう)の手順
①赤ちゃんを、対処する人の腕の上に乗せて下あごを保持
②そのまま片ひざの上にのせ、赤ちゃん・乳児をうつぶせの状態にする。
(頭を低い状態にする事がポイント)
③うつぶせの状態で両肩甲骨の間をたたく
▼赤ちゃんへの胸部圧迫法
②頭を低く保った姿勢にする。
③2本の指で胸骨圧迫マッサージを、1秒間に1回の割合で5回行う。
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【乳児・幼児共通】反応がない!意識がない場合の対処法
乳児・幼児どちらも共通なのですが、
呼びかけても反応がない、意識がない場合は、自分で対処を続けず、すぐに119番で救急車を呼んで下さい。
救急車が来る間は、心配蘇生法(人工呼吸など)を実行して下さい。
人工呼吸の際に、お子さんの口内の感染防止のために、便利なフェイスシールドマスクがあります。
私も似たような物を1つ持っていますが、いざという時に安心です^^
口にこのシートを充てて人工呼吸ができます。
1つあたり360円ほどですので、家族や友達でまとめ買いしてもOK♪
【まとめ】子供の のどつまり・異物除去法について
のどにつまっている間呼吸がしにくいので、つまっている時間が長いほど死亡の確率があがります。
助かっても脳に重い障害が残る可能性がありますので、
正しい対処法を素早く実行するのが大事です。
ここで異物除去のながれを軽くおさらいします。
のどの異物除去のながれ
①背部叩打法、ハイムリック法などを実践する(乳児・幼児それぞれに合った対処法を)
②意識のない場合は、上記方法を行わず、すぐに救急車を呼ぶ
③救急車が来るまでは心配蘇生法を実施する
▼注意!のどの異物除去の際にやってはいけないこと
- 無理やり口の中に手を突っ込んで出させることはしない。
- そうじ機で吸引することは、口の中を傷つけるので絶対にしない。
- 石油系・電池・カミソリを飲み込んだ場合は異物除去法はせず、すぐに救急車を呼ぶ
(逆流したり、胃やのどを傷つけるおそれがあるので、何もせずすぐに病院へ)
▼おもちゃなど誤飲防止と対策もしよう
- ビー玉などなるべく誤飲しそうなおもちゃは買わないようにする。
- 子供が手の届きそうな場所に置かない。
- 口に入りそうなおもちゃは親の手元で管理する。
- 誤飲のおそれのあるおもちゃで遊ぶ際は親がしっかり見守る
- 遊び終わったら、子供の手に届かない場所に片付けておくこと。
▼おすすめ対処本
子供への応急処置方法。
心肺蘇生法・気道異物除去方法など、緊急対応を要する病気やケガの知識などを,イラストを用いてわかりやすく説明。救命に役立つ知識をまとめた携帯カード付きです。
一家に一冊は欲しい、救急時に必ず役立つ本。
シーン別、ケガや病気・症状別に応急処置の方法を説明。